第4話【宙わたる教室】ネタバレ!あらすじ
私が演じる藤竹叶として、第4話のストーリーをお話しさせていただきます。
ようやく3人の生徒たちが科学部に集まり、火星のクレーター再現実験に向けて一歩を踏み出しました。しかし、実験装置の制作で壁にぶつかっている彼らを見ていると、この課題を乗り越えるには経験豊富な技術者の力が必要だと感じていました。
そこで私の目に留まったのが、長嶺省造さん。70代とは思えない確かな眼力を持つ彼は、かつて町工場を経営していた腕利きの職人でした。科学部の活動に協力してもらえないかと声をかけましたが、長嶺さんはきっぱりと断わってきました。
そんな中、木内先生の授業で長嶺さんと若い生徒たちが価値観の違いからぶつかり合う場面に遭遇します。世代間のギャップ、お互いを理解しようとしない頑なな心…。しかし、この衝突は逆に彼らが本音で向き合うきっかけになるかもしれないと、私は密かに期待していました。
科学には人と人を繋ぐ力があります。年齢も環境も異なる者同士が、実験を通じて分かり合える – そんな可能性を信じて、私は諦めずに長嶺さんに働きかけ続けることにしました。
この東新宿高校の夜の教室で、彼らは確実に変わり始めているのですから。
第4話【宙わたる教室】ネタバレ!あらすじ〜3話振り返り
科学部に新しい仲間が加わりました。
名取佳純さん。
彼女は起立性調節障害を抱え、教室に入ることすらままならない状況でした。
しかし、保健室の来室ノートに書かれた彼女の言葉に、私は強く心を動かされました。
火星探査小説「火星の人」になぞらえて書かれた記録。
保健室を「ハブ」、教室への移動を「EVA(船外活動)」と表現する彼女の孤独な戦いの記録。
まるで火星に取り残された宇宙飛行士のように、一人で戦い続けてきた佳純さんの心の叫びが伝わってきました。
私は彼女のノートにメッセージを残すことにしました。
すると、彼女から小さな、しかし確かな返事が返ってきたのです。
「yes」。
その一言に込められた希望に、私は大きな可能性を感じました。
物理準備室の扉の前で躊躇う佳純さん。
そこへアンジェラが手を差し伸べ、彼女を招き入れてくれました。
私は佳純さんに火星探査機「オポチュニティ」の話をしました。
想定の3ヶ月をはるかに超え、15年もの間、たった一台で任務を遂行し続けた探査機の物語。
佳純さんの15年の人生と重なるその孤独な戦いの物語は、彼女の心に深く響いたようでした。
保健室という「ハブ」から一歩外に踏み出した佳純さん。
彼女の小さな一歩が、きっと大きな前進につながっていくはずです。
私たちの科学部は、まさに宇宙のように広がっていく可能性を秘めているのですから。
この夜の教室で、私たちは共に宙をわたっているのです。