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第5話ネタバレ【あのクズを殴ってやりたいんだ】あらすじ11/5放送。感想考察!

あのクズ最終回ネタバレ

目次

第4話ネタバレ【あのクズを殴ってやりたいんだ】あらすじ10/29放送

グローブの重さが、まだ手に残っている。

7年前、あの致命的な一撃を放った日から、その感触は消えない。軽やかに飛び交う汗の雫、観客の熱気、ロープを伝う振動、全てが鮮明に蘇る。大地と交わしたファイトマネーの約束も、彼の必死の表情も、そして──あの痛ましい結末も。

リングは僕にとって、もう二度と戻れない楽園だった。

それなのに、ゆいは諦めなかった。トレーナーになって、ずっと僕の帰りを待っていた。「海里のことずっと好きだった」というゆいの告白は、優しさと残酷さが同居していた。彼女は最初から、自分が報われない恋をしていることを知っていた。それでも僕の곁にいて、ボクシングへの情熱を持ち続けた。その純粋さが、今でも胸を刺す。

香織の試合を見に来たのは、そんなゆいの思いを無碍にできなかったからだ。彼女は今でも、僕のことを「チャンピオン」と呼ぶ。でも、それは違う。チャンピオンなんかじゃない。人を殺めた殺人者だ。リングの上で、この手で。

それなのに…。

ほこ美という女が現れて、全てが揺らぎ始めた。結婚式でクズな男に逃げられた彼女は、不器用なまでに前を向いている。ボクシングに惹かれ、必死で食らいつく姿は、かつての自分を見ているようで目が離せない。純粋に強くなりたいという思いが、彼女の一挙手一投足から伝わってくる。

でも、それが怖かった。

リング上で彼女に向かって怒鳴ったのは、自分自身への警告でもあった。「ここで人を殺してる」──その言葉は、7年間封印してきた記憶を一気に呼び覚ました。吐き気。めまい。そして消えない罪悪感。

大地の墓前に供えた花。それを成が踏みつける瞬間、全ての謎が繋がった気がした。あの試合の裏で、何が起きていたのか。なぜ大地があんな無理な試合を受けなければならなかったのか。そして、成の存在が意味するもの。

ボクシングは、僕の人生そのものだった。憧れ、情熱、努力、栄光──そして破滅。グローブを通して人生の全てを学んだ。強さとは何か、弱さとは何か、そして人を傷つけることの意味を。

ゆいは今でも信じている。僕がリングに戻れると。ほこ美も、何も知らずに僕に期待を寄せている。その純粋な思いが、逆に胸を締め付ける。

でも、もう逃げるわけにはいかない。

大地への供花を踏みつける成の姿を見て、決意は固まった。これは単なる贖罪ではない。真実との対峙だ。ボクシングが教えてくれた最後の課題かもしれない。

グローブの重さは、まだ手に残っている。
それは罪の証でもあり、再生への鍵でもある。

この7年間、僕は本当の意味で「生きて」いただろうか?
ゆいの献身的な思い、ほこ美の純粋な憧れ、そして大地の無念。
全てを受け止めて、前に進まなければならない時が来たのかもしれない。

リングは、まだ僕を待っている。
それは地獄であり、救済の場所でもある。

ただ、今の僕には分かっている。
逃げ続けることは、もう終わりにしなければならないということを。

第5話ネタバレほこ美【あのクズを殴ってやりたいんだ】あらすじ

ジムに響く喜びの声。ゆいが7年ぶりにセコンドを務めた香織の試合で勝利を掴んだ。その輝く笑顔を見ていたら、私も胸が熱くなった。

そして、私にもついに許可が出た。スパーリング練習──。この日を、どれだけ待ちわびていたことか。汗を流し、パンチを繰り出し、少しずつでも強くなれる実感を掴みたかった。だけど、その喜びの中で、海里のことが気がかりで仕方なかった。

あの日、リングの上で彼が放った言葉が、まだ耳に残っている。
「俺はここで人を殺してる」

その言葉の重みが、今になってじわじわと染みてくる。電話も着信を無視され、バーでも会えない。避けられているんだと分かっていても、どうしても会いたかった。謝りたかった。私の軽率な行動が、彼の深い傷を抉ってしまったかもしれない。

相澤さんに伝言を頼んでも空振り。結局、海里からの連絡はこない。だから、あの飲食店に行ってみた。取材の時に海里が撮った写真が欲しいと、店のお母さんが市役所まで来てくれたから。

そこで偶然──いや、運命だったのかもしれない。写真を届けに来ていた海里と出会った。私は思わず、フォトコンテストの話を持ちかけていた。彼の写真には魂が宿っている。人の心の機微を捉える、その才能を埋もれさせたくなかった。

でも、彼は「おせっかい」と一蹴した。そう、私はまたやってしまった。人のことを考えているようで、実は自分の思いを押し付けているだけなんだ。

それなのに──海里は、コンテストに応募してくれた。その事実を知った時、涙が出そうになった。彼は、確かに前を向こうとしている。ボクシングで負った傷を抱えながらも、新しい一歩を踏み出そうとしている。

だけど、なぜ。なぜ誰かが、その一歩を邪魔しようとするの?

私にはまだ分からないことだらけだ。海里が背負う過去も、彼を取り巻く人間関係も、全て謎に包まれている。でも、一つだけ確かなことがある。私は彼の側にいたい。その傷を癒すことはできなくても、せめて、前を向く勇気の証人になりたい。

ボクシングは私を変えてくれた。結婚式でクズ男に逃げられた時の屈辱も、少しずつ昇華できている。だから分かるんだ。この競技には、人を再生させる力があることを。

海里。あなたはもう、一人じゃないんだよ。

私とゆいが、きっとあなたの背中を押し続ける。たとえ、その歩みが遅くても、たとえ、時には立ち止まることがあっても──。あの写真のように、あなたの瞳に再び光が宿るその日まで。

だって私たちには、まだまだ打ち込むパンチが、たくさん残っているから。

第5話ネタバレ海里【あのクズを殴ってやりたいんだ】あらすじ

ファインダー越しの世界は、いつだって真実を映し出す。

香織の試合でゆいがセコンドを務めた。7年の時を経て、彼女は変わらずリングに立ち続けている。あの日、僕が全てを投げ出した後も。その強さに、胸が締め付けられた。

着信を無視し続けている。ほこ美からの電話に出る勇気がない。あの日、リング上で口走ってしまった言葉──「俺はここで人を殺してる」。その後の彼女の表情が、フラッシュバックのように蘇る。

バーにも行けない。相澤を通じた伝言も、そのまま流している。臆病者だと分かっている。でも、彼女の純粋な瞳に映る自分を、受け入れる自信がないんだ。

あの街の飲食店に写真を届けに行った時も、運命のように彼女と出会ってしまった。フォトコンテストへの応募を勧められて、思わず「おせっかい」と言ってしまった。彼女の善意を分かっていながら、突き放してしまう。このままじゃいけないと分かっていても、距離を置かずにはいられない。

写真には、人の心が映る。

かつて僕は、グローブを通して人の心と向き合おうとした。でも今は、レンズを通して世界を見ている。ボクシングで失ったものを、写真で取り戻そうとしているのかもしれない。

結局、コンテストに応募した。彼女の言葉の中に、かつての自分を見たからだ。誰かを変えたい、強くしたいという純粋な思い。それは、僕がボクシングに魅せられた理由と同じだった。

でも、過去は簡単には消えない。

前を向こうとする度に、誰かが邪魔をする。大地との約束、成との確執、そして7年前の真実──。これらは全て、繋がっているんだ。

ほこ美は気付いているだろうか。彼女の側にいることが、どれほど危険なことなのか。彼女の純粋さが、どれほど残酷な現実に晒されることになるのか。

それでも、彼女は諦めない。
ゆいもそうだ。

二人とも、僕の暗い過去に気付きながら、それでも光を見出そうとしてくれる。

ファインダーの向こうで、世界は確かに動いている。
シャッターを切る度に、新しい瞬間が生まれる。
それは、かつてリングの上で感じた高揚感に、少しだけ似ている。

だけど今は、誰かを守れるほど強くない。
だから、もう少しだけ距離を置かせて欲しい。
写真を通して、もう一度、自分と向き合う時間が必要なんだ。

ほこ美、ゆい──。
二人の想いは、確かに受け取っている。
でも今は、この想いさえも、シャッターの向こう側に置いておかなければならない。

なぜなら、7年前の真実が、また新たな犠牲を生もうとしているから──。

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