第8話【放課後カルテ】最終回までネタバレあらすじ〜牧野先生の告白
音楽会の練習が始まった頃、芳野先生から相談を受けた。
1年2組の真愛という女の子が、教室で声を出せないと言う。
母親の彩さんも心配そうだった。
家では普通に話せるのに、なぜ学校では声が出ないのか。
私は真愛の様子を注意深く観察した。
授業態度は良好で、成績にも問題はない。
ただ、クラスメートとの関わりの場面でだけ、急に声が出なくなる。
「場面緘黙」―。
私はすぐにその可能性に気付いた。
社会不安障害の一種で、特定の社会的場面でのみ話すことができなくなる症状だ。
芳野先生には、真愛を急かさないよう助言した。
彩さんは「私の育て方が悪かったのでは」と自分を責めていた。
その言葉を聞いて、胸が痛んだ。
親の責任ではない。
そう伝えるため、私は真愛の家を訪問することにした。
席替えで前の席になった未沙と仲良くなりたい気持ちは、真愛の目を見ればわかった。
でも彼女の心の中では、「カピ太」という想像上のキャラクターが後ろ向きな言葉を囁いている。
私は交換日記を提案した。
文字なら、彼女は自分の気持ちを表現できるかもしれない。
篠谷は「先生が真愛の友達になればいい」と言った。
その言葉は意外だった。
でも、彼女の言う通りかもしれない。
医師として診断し、治療法を考えることは簡単だ。
けれど、時には白衣を脱ぎ、一人の「友達」として向き合うことが必要なのかもしれない。
真愛の心の中で、カピ太の声に負けないよう応援できる存在になりたい。
そのためには、まず彼女の世界に寄り添うことから始めよう。
交換日記を通じて、少しずつ彼女の心の扉を開いていきたい。
真愛が自分の声を取り戻せるよう、私にできることを全力でサポートしていく。
それは医師としてではなく、一人の理解者として。
第8話【放課後カルテ】最終回までネタバレあらすじ〜篠谷先生の告白
また牧野先生は子供たちのために奔走している。
今回は1年2組の真愛という女の子。
教室で声が出せないなんて、私も心配になる。
場面緘黙―。
牧野先生の診断を聞いて、胸が締め付けられた。
小さな体で、どれだけ不安を抱えているのだろう。
私にも思い当たることがある。
子供の頃、人前で声が出なくなった経験。
だからこそ、真愛の気持ちが痛いほどわかる。
牧野先生は交換日記を始めようとしている。
確かに文字なら、気持ちを伝えやすいかもしれない。
でも、それだけで十分だろうか。
真愛には友達が必要だ。
理解してくれる、寄り添ってくれる存在が。
だから私は牧野先生に言った。
「先生が真愛の友達になってあげれば」と。
医師と患者という関係を超えて。
一人の理解者として、彼女の世界に入っていってほしい。
私の言葉に、牧野先生は少し驚いたような顔をした。
でも、きっと分かってくれるはず。
時には専門家であることよりも、ただそばにいることの方が大切だということを。
真愛の心の中にいるというカピ太。
きっと不安や恐れの象徴なのだろう。
でも、その声に負けない強さを、彼女は持っているはず。
その強さを引き出せるのは、牧野先生しかいない。
私にはわかる。
あの人なら、真愛の心の扉を開くことができると。
だって、私の心の扉も開いてくれたから。
これからも見守っていこう。
牧野先生と真愛の、小さな一歩を。