アニメ版【青のミブロ】最終回ネタバレあらすじ第2話「泣いていい世界」
京の街を見下ろす高台に建つ屯所。僕はその前に立ち、微かに震える手を握りしめている。人々は「鬼の棲み家」と呼んで、この場所を遠ざける。でも、僕はここを選んだ。土方歳三さんと沖田総司さんとの出会いが、僕の人生を大きく変えた。
あの日まで、僕は何も変えられない自分を受け入れるしかないと思っていた。理不尽な暴力が横行する京の街で、ただ目を伏せて生きていくのが、僕のような弱い人間の運命だと。でも、土方さんの凛とした佇まい、沖田さんの澄んだ眼差しに触れた時、僕の心の中で何かが大きく動いた。
「僕だって強くなりたい。こんな世界を変えたい。」
その思いは、日に日に強くなっていく。けれど同時に、不安も大きくなっていた。この屯所に集う者たちは皆、鬼のように強いと噂される。そんな場所で、僕のような者が立っていられるのだろうか。永倉新八さんと原田左之助さんの鋭い眼差しに出会った時、その不安は頂点に達した。
「力を見せろ。」
突然の相撲勝負の宣告に、心臓が跳ね上がる。でも、不思議と足は震えていなかった。そうか、これが僕の最初の試練なんだ。逃げ出したい気持ちと戦いながら、土俵に向かう一歩一歩が、重くて温かい。
土方さんの言葉が、心の中で響く。「泣いていい」。そうだ、この世界は違うんだ。強がらなくていい。虚勢を張らなくていい。大切なのは、本当の自分と向き合う勇気。たとえ今の自分が弱くても、変わろうとする意志があれば、この場所は僕を受け入れてくれる。
汗が滴る。心臓が打つ。体が熱を帯びていく。これが、生きているということなのかもしれない。今までの人生で感じたことのない、激しい高揚感。僕は今、確かに変わり始めている。
相手は僕より遥かに強いだろう。でも、それでいい。今の僕に必要なのは勝利じゃない。自分の全てをぶつける覚悟。たとえ投げ飛ばされても、また立ち上がる決意。それが、強さの第一歩なんだ。
土俵の上で、僕は誓う。このミブロで、必ず強くなる。理不尽に流される日々に、終止符を打つ。泣いていい。でも、諦めない。この世界を、この手で少しずつ変えていく。たとえそれが遠い道のりでも、一歩ずつ、確実に前に進んでいくんだ。
今、僕の新しい物語が始まる。壬生浪士組の一員として。弱さと向き合い、強さを求めて成長していく物語が——。