【吹き出しネタバレ】べらぼう第1話ネタバレあらすじ
蔦重の吹き出し(セリフ)で。
俺は人々の目に映る吉原を変えたい。この欲望が、この渇望が、胸の中で燃え続けている。『吉原細見』—ただのガイドブックじゃない。人々の心を動かす、新しい物語を紡ぐための道具なんだ。
源内を探し回る日々。長屋の便所で出会った男は、まるで運命のように俺を導いていく。だが、この胡散臭い男の正体は、まさか源内その人とは。あの嗽石香を売り出した奇才が、こんな形で俺の前に現れるとは。
花の井の聡明さには驚かされる。瀬川菊之丞への想いを見抜き、男装して源内の前に現れる。その機転と勇気、そして芯の強さ。これぞ吉原が育てた真の才能じゃないか。俺たちは皆、それぞれの形で吉原を愛している。だからこそ、この街を変えたいんだ。
『細見嗚呼御江戸』—この本で吉原は生まれ変わる。潰れた店を黒く塗りつぶすんじゃない。新しい命を吹き込むんだ。一軒一軒、店を回りながら、最新の息吹を集めていく。これが俺の戦いの始まり。江戸の街に、新しい風を吹かせてみせる。
人は俺のことを「べらぼうめ」と呼ぶ。そうさ、俺は常識はずれなことをやってのける。でもな、この非常識こそが、古い常識を打ち破る力になるんだ。俺は信じている。言葉の力を、物語の力を、そして何より、変わろうとする人々の力を。
【吹き出しネタバレ】べらぼう第1話ネタバレあらすじ〜朝顔のセリフ
私は吉原の女、朝顔。かつては松葉屋の誇る花魁だった。今は河岸見世・二文字屋の一介の女郎。でも、それでいい。この世界には、私のような女がたくさんいるのだから。
あの子と出会ったのは、随分前のこと。七つの蔦重は、他の養子たちにいじめられていた。私と花の井—当時はまだ「あざみ」と呼ばれる禿だった子—は、本を読んであげるのが日課になった。蔦重の目は、本を読むたびに輝いていた。あの頃から、彼は言葉の力を信じていたのね。
時は流れ、私は体を壊し、松葉屋から河岸見世へと身を落とした。でも、蔦重は変わらず本を持ってきてくれる。『根南志具佐』を読む彼の声は、まるで芝居小屋で聞く役者のよう。その声が、この暗い世界に一筋の光をもたらしてくれる。
他の女郎たちは、三日も客が来ないと嘆く。薄いおかゆをすすりながら、明日への希望も見いだせない。蔦重が持ってきてくれる料理を、私は彼女たちに分け与える。自分が食べなくても、若い子たちに生きていてほしい。それが、この吉原で生きてきた私の最後の意地なの。
ごめんね、蔦重。あなたが持ってきてくれた料理に手をつけなかったこと。でも、あなたの優しさは確かに受け取ったわ。あなたの本を読む声も、最期まで私の心の支えだった。
浄閑寺の墓地に横たわる私の体は、もう着物も奪われ、むき出しのまま。でも、それでいい。私の命は、若い女郎たちの中で生き続ける。そして、あなたの中でも。
蔦重、あなたならきっとこの吉原を変えられる。この世界の闇を、言葉の力で照らし出せる。私はそう信じている。だって、あなたは本当の意味で、この街の女たちの声を聞ける人だから。
最期に伝えたかったのは、「ありがとう」の言葉。本を読んでくれて、私たちのことを忘れないでいてくれて、そしてこの吉原を変えようとしてくれて。
これが私、朝顔の物語。吉原の、ごく普通の女郎の物語。でも、この物語もいつか誰かの心に届くことを願って—。