ライオンの隠れ家ネタバレ9話あらすじ
姉さんといなくなったライオン。散乱した部屋を見た瞬間、全身の血が凍った。幼い頃から私たち兄弟を守り続けてくれた姉さんが、また祥吾さんの手に落ちてしまったのか。
弟の美路人は混乱している。いつもの日課が崩れ、ライオンがいないことに戸惑っているのが分かる。あの子が来てから、美路人は少しずつ変わり始めていた。他人との関わり方を、ライオンを通して学んでいた矢先なのに。
姉さんは、私たちが子供の頃から、いつも強がって笑顔を見せてくれた。父が亡くなってからは、特に。美路人のautism spectrumのことも、私のことも、全て背負ってくれていた。でも今度は、僕が姉さんを守る。そして、弟を支える。それが長男としての務めだ。
ライオンのぬいぐるみを手に取りながら、決意を固める。このぬいぐるみには、私たち家族の新しい形が詰まっている。姉さんの笑顔、ライオンの無邪気な声、美路人の少しずつの成長。全てを取り戻さなければ。
祥吾さんと対面している姉さん。きっと、また私たち兄弟のために、何か決断をしようとしているんだ。でも今度は違う。今度は僕が、美路人と一緒に、姉さんとライオンを救う。
弟の心を支えながら、姉を助ける。これが兄である僕にしかできない役目だ。たとえどんな困難が待ち受けていても、家族は守る。それが、小森家の長男としての、今の覚悟だ。
佐渡の夜空を見上げながら、心に誓う。必ず取り戻す。私たちの新しい家族を、必ず。
ライオンの隠れ家ネタバレ9話あらすじ
あの子たちに、申し訳ない。
でも、これしかなかった。
祥吾の前に立つことを、私は決意した。
洸人も美路人も、もう二度と巻き込むわけにはいかない。
弟たちには、穏やかで安全な日常を送ってほしい。
ライオン…愁人を連れて逃げ続けることは、もう限界だと感じていた。
あの部屋で、最後に二人の寝顔を見た時、胸が千切れそうだった。
でも、母として、姉として、私がすべきことは決まっていた。
祥吾の手から子供を守るには、この方法しかない。
洸人、ごめんね。
いつも頼りにしてくれる弟なのに、こんな形で別れることになって。
美路人、ごめんね。
やっと心を開いてくれたのに、突然いなくなってしまって。
愁人…私の大切な息子。
あなたと過ごした日々は、かけがえのない宝物。
佐渡での穏やかな時間は、まるで夢のようだった。
洸人と美路人との新しい家族の形も、確かな幸せだった。
でも、この幸せを守るために、私は前に進まなければならない。
祥吾との決着をつける時が来た。
たとえ、この身が砕けても、子供たちの未来は守り抜く。
これが、母として、そして姉としての、私の覚悟。
雨の降る佐渡を後にしながら、静かに涙を流した。
いつか、また会える日まで。
その時は、きっと笑顔で再会できますように。