ザ・トラベルナースネタバレ第5話あらすじ 吉子の視点
今日も病棟は、重い空気に包まれています。
私の目の前には、がんと闘う五味さんの姿があります。
入院初日から、激しい言葉で部下を責め立てる姿に、違和感を覚えました。
しかし、その背後にある深い苦しみも、看護師として感じ取らずにはいられません。
一方で、新人ナース・柚子の成長が気がかりでなりません。
基本的なことができていないのに、不満ばかり口にする彼女の姿勢に、時として厳しい指導をせざるを得ませんでした。
ナースという仕事は、人の命を預かる重責があるのです。
些細なミスが、取り返しのつかない結果を招くこともあります。
だからこそ、厳しく指導しなければならない。
それなのに柚子は、私の指導を「パワハラだ」と愛川部長に訴えました。
確かに、私の指導は厳しかったのかもしれません。
でも、それは患者さんの命を守るために必要な厳しさだったはずです。
そして衝撃の出来事が起きました。
柚子が、医師でもないのに患者に余命宣告をしてしまったのです。
思わず平手打ちをしてしまいました。
感情的になってしまった自分が、今でも悔やまれます。
院長からは解雇の示唆まで受け、胸が締め付けられる思いです。
20年間、誇りを持って務めてきたナースという仕事。
それが、こんな形で終わってしまうのでしょうか。
那須田さんは、私の気持ちを理解してくれているように見えます。
九鬼さんも、静かに見守ってくれています。
でも、この状況をどう打開すればいいのか、答えが見えません。
若手の育成と患者ケアの両立。
これほど難しい課題はありません。
それでも、看護への情熱は決して消えません。
たとえ解雇という結末を迎えたとしても、私は最後まで信念を貫き通すつもりです。
なぜなら、それが私の看護師としての矜持だからです。
患者さんの命を守るため、時には厳しさも必要なのです。
ただ、その厳しさが相手を傷つけてしまうこともあると、今回の件で痛感しました。
これからは、厳しさの中にも思いやりを忘れない指導を心がけたいと思います。
それが、この経験から学んだ私なりの答えなのかもしれません。
医療現場は、今日も混沌を極めていた。
慢性的な人手不足、厳しい残業規制、そして現場で日々積み重なる小さな軋轢の数々。その渦中で、私たちは今日も患者の命と向き合っている。
新たに入院してきた五味さん。中学時代の九鬼先生の同級生だという彼の存在が、この病棟に新たな波紋を投げかけることになるとは、その時はまだ誰も予想していなかった。
強烈なパワハラを繰り返す五味さん。その横暴な態度は、医師もナースも選ばない。そんな中、私は現場で起きている別の軋轢にも気付いていた。
ベテランナースの金谷吉子さんと新人の中村柚子。彼女たちの間に生まれた確執は、単なる世代間ギャップを超えて、もっと根深い問題を映し出していた。吉子さんの厳しい指導は、プロとしての矜持から来るものだ。一方で柚子は、その背景にある思いを理解できずにいた。
そして事態は思わぬ方向へと暴走する。
柚子が五味さんに対して行った独断的な余命告知。医療者としてあってはならない行為に、吉子さんの掌が柚子の頬を打つ音が病棟に響き渡った。この一件は瞬く間に薬師丸院長の耳に入り、吉子さんの立場さえも危うくしている。
しかし、この騒動の裏には、それぞれの立場の人間が抱える切実な思いが隠されていた。九鬼先生は懸命に五味さんの心に寄り添おうとしている。その姿に、私は改めて医療者としての在り方を考えさせられる。
人とのふれあいの中で、私たちは何を大切にすべきなのか。
パワハラという言葉で片付けられない、現場特有の複雑な人間関係。
そして何より、患者の命を預かる者としての責任。
この混沌とした医療の現場で、私たちはまた新たな試練に立ち向かっていく。それは、きっと明日への希望につながる戦いのはずだ。
■那須田歩の心情
このフロアには、絶えず緊張が漂っています。
患者である五味さんのパワハラは、病棟全体に暗い影を落としています。自分の病と向き合う苦しみが、他者への攻撃性となって表れているのでしょう。でも、それは若いナースたちの心を深く傷つけています。
金谷さんと中村さんの確執を見ていると、胸が締め付けられます。厳しい指導は時として必要です。しかし、それが行き過ぎれば、現場の士気は著しく低下してしまう。トラベルナースとして様々な病院を見てきた私だからこそ、その危うさが分かるのです。
余命宣告という最も重いタブーを犯してしまった中村さん。そして、感情的なビンタで応じてしまった金谷さん。この負の連鎖を、どうすれば断ち切ることができるのでしょうか。
■九鬼静の心情
同級生の五味が、この病院に入院してくるとは。
人生の最期に近づき、苛立ちをあらわにする彼の姿に、懐かしい記憶が重なります。かつての誇り高い彼は、今や病魔との戦いに疲れ果てています。
看護の現場で起きている騒動も気になります。しかし今は、五味の心に寄り添うことが私の務め。昔の友として、そして一人の看護師として、彼の最期の時間に何ができるのか。
解雇の危機に瀕している金谷さんのことも心配です。彼女の厳しい指導の背景には、患者のために完璧を求める強い使命感があります。その思いを、どうすれば若手に正しく伝えられるのか。
私たち看護師は、時として患者の怒りの矛先となります。それでも、その人の命と向き合い続けなければならない。それが、私たちの覚悟なのです。